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バルサラの破産確率で自動売買プログラム(EA)の安全性を評価

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自動売買プログラムの性能を評価する指標の一つに

バルサラの破産確率

があります。

 

この指標は、その名の通り
そのEAを使い続けた時に、口座が破産する確率
を示します。

 

この指標は、MT4でバックテストをしても、レポートには表示されないため、注目している方はあまり多くないようです。しかし、いくらPFが大きくとも、破産確率が0ではないEAには安心してトレードを任せることができません。必ず確認しましょう!! 

 

本ページでは、EAの『バルサラの破産確率』の求め方を
PriceBreaker GBP/JPY  をもとに、解説してみたいと思います。

 

1.バルサラの破産確率の導出過程(参考)

バルサラの破産確率の詳細な導出過程を示しているページがこちらです。
ただ、今回は難しい数式を理解する必要はありませんので、読み飛ばして頂いて構いません。興味のある方だけどうぞ ^ ^;

バルサラの破産確率の導出 - 右京武彦の完全自動デイトレードシステム構築実践虎の巻

 

2.バルサラの破産確率を求めるために必要なパラメータ 

さて、実際にバルサラの破産確率を求めてみましょう。

使用しているトレードロジック(EA)の

 1.勝率(p(0<p<1))
 2.ペイオフレシオ(r)
 3.リスクにさらす資産の割合(E)

がわかれば、そのロジックの破産確率を数学的に求めることが可能です。

自動売買プログラムのバックテストをすると、これら3つのパラメータを取得することが可能です。 

 

PriceBreaker GBP/JPY のバックテスト結果を基に、これら3つのパラメータを求めてみます。

 

1.勝率(p)

これはバックテストの結果からすぐにわかります。
Strategy Tester Reportから、勝率は50.93%(p=0.5093)だとわかります。
 
2.ペイオフレシオ(r)

こちらはちょっと計算が必要です。
バルサラの破産確率の導出のページから引用すると、ペイオフレシオは、
「勝てば+W、負ければ-L、というゲームを繰り返す。」
ペイオフレシオはr=W/Lとして表せます。」
とのことですので、まずはWとLが必要です。

これは、Strategy Tester Reportの平均勝トレードと平均負トレードで代用できるでしょう。

PriceBreaker GBP/JPYの場合、

 平均勝トレードW:50.22
 平均負トレードL:24.73

 ペイオフレシオは
  r=W/L
   =50.22/24.73
   =2.03
 となりました。

 

3.リスクにさらす資産の割合(E)

これも少し計算が必要です。
1トレードするときの、手持ち資金をn、取り得る損失Lとして、
 E=L/n
で求められます。
トレードする際の手持ち資金が少ないのは、トレード開始直後でまだ増えていない期間です。ここでは、初期証拠金である$10,000をnとしましょう。

またPriceBreakerの場合、Lは固定されています。GBP/JPYのStrategy Tester Reportのトレード履歴を見ると、-20と-40の2パターンがあります。大きい方の-40をLとします。

  E=L/n
   =40/10000
   =0.004

となりました。(Lotsの値を変えてバックテストすれば、Eも変わります。)

 

3.バルサラの破産確率を計算

3つのパラメータがそろいましたので、バルサラの破産確率を求めてみましょう!!
こちらのページでは、3つのパラメータを入力するだけで自動でバルサラの破産確率を計算してくれます。便利!!

バルサラの破産確率の計算 - 右京武彦の完全自動デイトレードシステム構築実践虎の巻


 ・p=0.5093
 ・r=2.03
 ・E=0.004

ですね。

 

さて、結果は・・・

 破産確率= 0.000%

 

GBP/JPY以外の通貨ペアについても、同様に計算した結果がこちらです。

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これでPriceBreakerは、いつか口座が破たんするようなロジックではないということが、数学的に確認できました。

相場は、退場させられなければ、いつか勝つものです。

逆に、破産確率が0の範囲で、できるだけLotsを上げると最も高収益になる、という考え方もできます。


Lotsの設定は自己責任ですよ。

 

破産確率計算済みの、安心・安全なEAをこちらで紹介しています。

 

(※)
単利のEAの場合、自己資金の増減によりEが常に変化しますので気をつけてください。自己資金が最小の状態でEを計算するのが望ましいです。
また、トレードごとに損切幅が変動するロジックの場合、最大の損切幅で計算すべきと思います。
(PriceBreakerの損切幅は2種類ありますが、いずれも固定です。)
もしこれらの計算が困難なEAであれば、事前にバルサラの破産確率を
求めることができず、結果がどうなってもわからない、ということになります。
裁量トレードならともかく、基本的に任せっぱなしにするシステムトレードの場合、バルサラの破産確率が0であることは、必須条件と思われます。